ベルカ、吠えないのか?

ベルカ、吠えないのか?
古川 日出男
文藝春秋 (2005/04/22)
売り上げランキング: 3,651


ここが凄い!

  • 文章が平易で読みやすい。
  • 1943年の四島の犬から始まる壮大な物語とソ連崩壊後のロシアの一区画での物語が並行して交互に語られる。
  • 気持ちよく二つの物語が切り替わるので読んでて飽きない。
  • 戦争の世紀/軍用犬の世紀/二十世紀
  • 犬たちの物語にとにかく圧倒される。
  • 犬たちの家計図を頭の中で作るのが大変。
  • 犬版ガルシア・マルケスの『百年の孤独』。
  • とにかくいっぱい犬が出てくる。
  • 犬たちの物語によって戦後の世界史がわかる。
  • 冷戦、朝鮮戦争ベトナム戦争アフガニスタン中南米マフィア…。
  • とにかく語られるスピードが凄い。
  • スタイルも面白い。
  • 犬の疾走感がそのまま物語の疾走感になっている。
  • 現代のロシアでの物語も感動的。
  • うぉん

これはフィクションだってあなたたちは言うだろう。
おれもそれは認めるだろう。でも、あなたたち、
この世にフィクション以外のなにがあると思ってるんだ?

                             冒頭より。

いやーとにかく面白い小説です。
さまざまな犬のエピソードが語られるのですが私が一番好きなのはアイスかな。

アタシタチハ捕マラナイヨ
アタシタチハ走ルヨ

それにしてもこの小説は押井守監督が好きそうな小説ですね。
大主教の動機や行動は機動警察パトレイバー劇場版2(傑作!)やケルベロスサーガを思い出させます。
でも映像化は難しいだろうな。
今年読んだ日本人作家の小説ではナンバー1ですね。
まあ今年日本人作家の小説ほとんど読んでないんですけどね。