ホワイト・ジャズ
ここが凄い!
- 暗黒LA四部作最終巻。
- 異様な文体。
- 異様な事件。
- 異様な人間関係。
- LA四部作第一作『ブラック・ダリア』と同じく主人公の一人称形式。
- 読んでて疲れること必死。
- ジェイムズ・エルロイ作品を決してこれから読み始めてはいけない。
- 今までの暗黒LAシリーズのさまざまなモチーフが詰め込まれている。
- 猟奇事件。八百長ボクシング。映画スター。マフィア。呪われた家族。
- やっぱりホモが出てくる。
- シリーズ中最も頭の切れない主人公かもしれない。
- この主人公は利害の一致しないたくさんの人間と契約(約束)する。
- もう何がなんだか。
- でもコアとなる事件の犯人は当て推量で当たった。
- このシリーズずっと読んでると傾向で大体わかります。
- とにかく濃密。プロットも文章も。
久しぶりの一人称作品だったこともあり最初読んだときはちんぷんかんぷん。
二回目に入ってようやく事件の全体がつかめました。流し読みができない作品ですね。
でも冒頭のハッシュハッシュで語られてるあの事件が解決されてないような…。読み落とし?
LA四部作それぞれの印象を語るなら
『LAコンフィデンシャル』一番とっつきやすい作品。一番楽しめました。
『ビッグ・ノーウェア』たぶんエルロイにとって画期的な作品。以降の作風を決定づける。
『ホワイト・ジャズ』エルロイの一つの到達点。一番濃密。
『ブラック・ダリア』実はオーソドックスなミステリー。
という感じですね。
それにしても自分はジェイムズ・エルロイと割と幸せな出会いをしたんだなあと思います。
もし最初に読んだ作品が『ブラックダリア』だったならトマス・H・クックやロバート・ゴダードのようにこの作家の作品はもういいやとほかの作品まで手を出さなかったかもしれません。。
そういった意味で『アメリカン・タブロイド』から読み始めたのは非常にラッキーでした。
扱われている事件がJFK暗殺とキャッチーですし、三人称複数視点で、エルロイ独特の文章とプロットも味わえます。
ですからもしエルロイ未読の読者がいたなら最初にお勧めするのはやっぱり『アメリカン・タブロイド』ですね。田村義進氏の翻訳と解説もすばらしいですし。
ところで『アメリカン・タブロイド』の続編でもある『アメリカン・デストリップ』を読んだ後あるキャラクターの最後を予想したのですが『ホワイトジャズ』を読んだ限りではそうはなら無そうです。うーん、じゃあどうなるんだろ。