小説の技巧

内容
読者を小説世界に引きずりこむために作家は書き出しにどんな工夫を凝らしているか。サスペンスを持続させるにはいかなる妙技が必要か。登場人物の名前がもつ意味は。「エマ」ユリシーズ」から「ライ麦畑」「日の名残り」まで、古今の名作を題材にその技法を解明し、小説味読の楽しみを倍加させる一書。




これから小説化を目指す人にはぜひ読んでもらいたい一冊です。
特に「視点」の項は必読です。これが出来てない作家さん意外と結構多いんだよなあ。
以下本書で扱われているトピックス

  1. 書き出し
  2. 作者の介入
  3. サスペンス
  4. ティーンエイジ・スカース
  5. 書簡体小説
  6. 視点
  7. ミステリー
  8. 名前
  9. 意識の流れ
  10. 内的独白
  11. 異化
  12. 場の感覚
  13. リスト
  14. 人物紹介
  15. 驚き
  16. 時間の移動
  17. テクストの中の読者
  18. 天気
  19. 反復
  20. 凝った文章
  21. 間テクスト性
  22. 実験小説
  23. コミック・ノベル
  24. マジック・リアリズム
  25. 表層にとどまる
  26. 描写と語り
  27. 複数の声で語る
  28. 過去の感覚
  29. 未来を想像する
  30. 象徴性
  31. 寓話
  32. エピファニー
  33. 偶然
  34. 信用できない語り手
  35. 異国性
  36. 章分け、その他
  37. 電話
  38. シュルレアリスム
  39. アイロニー
  40. 動機付け
  41. 持続感
  42. 言外の意味
  43. 題名
  44. 思想
  45. ノンフィクション小説
  46. メタフィクション
  47. 怪奇
  48. 物語構造
  49. アポリア
  50. 結末

不満があるとすれば一つ一つのトピックスががもう少し詳しく!というところで終わってしまうところと、しょうがないのかもしれないけれど具体例のテキストが英米文学のみに偏っているところかな。
これで大陸小説がいっぱい入っていれば言う事なしだったんですけどね。

小説の技巧
小説の技巧
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