ギリシャ棺の秘密

ギリシア棺の謎
ギリシア棺の謎
posted with amazlet on 06.03.02
エラリー・クイーン 井上 勇
東京創元社 (1959/09)
売り上げランキング: 88,175

読了。
前の『ブラックダリア』がどろどろした作品だったので口直しにクイーンを読んでみました。
いうまでも無く国名シリーズです。
シンプルですねえ。でもクイーン作品の中では入り組んでるほうらしいです。
序盤で提示される謎もなかなか魅力的。
これは探偵エラリイクイーンのデビュー事件という設定になっています。
ですからこの作品ではエラリイは途中で大きなミスをするんですね。
しかも自身満々に。
このことをきっかけにエラリイはその後事件の途中で自分の考えを安易に発表することを避けることになるわけです。
なるほど。
こういう風に説明されると探偵が途中で考えを明かさない理由も一応納得できますね。
まあその結果非常に嫌味で自分勝手に見えることに変わりはないんですが。

ほとんどの読者が意表を疲れるであろう意外な結末にも感心しました。
ミステリーはかくあるべしというような非常にまとまったお手本的な作品です。
クイーンが苦手という人に薦める一冊にしても良いかもしれませんね。ちょっと長いですが。
クイーン嫌いの人もどうぞ手にとって読んでみてください。