LAコンフィデンシャル(上)(下)
ここが凄い!
- 1950年代の暗黒を描くLA四部作第三作目。映画化もされた。
- ミステリー、クライムノヴェル、ノワール。
- 決して読みやすいとはいえないエルロイ独特の文章。
- でも前作『ビッグノーウェア』と同じく三人称複数視点で場面が次々と変わるため読み飽きない。
- 主人公たちのキャラクターがしっかりと掘り下げられているため行動動機が理解しやすい。
- 一作目から読んだほうがよい。キャラが再登場するから
- とにかく複雑、精緻、巧妙なプロットに圧倒される。ほとんど芸術。神がかり的。
- 複数の事件、複数の犯人、複数の真相。絡まり、もつれ、最後にカタルシス。
- 男たちの正義と友情の物語。
- エルロイらしく女たちへの視線は常にやさしい。
- またホモが出てくる。
- 『ブラックダリア』のときは効果的と思えなかったミステリー的要素が今回は抜群に効いている。
- クライマックスへのスピード感と焦燥感が素晴らしい。
- そしてラスト、なんともいえない静かな感動と余韻。
- 傑作。
自分にとってはジェイムズ・エルロイ作品5作目。映画は未見。
養老孟司氏がミステリー中毒のなかで、キャラクターの過去の描写がなければあの作品はつまらないのだから見る気はない。というようなことを語っていましたがどうなんでしょう。
割と映画の評判はよいんですよね。見たほうがいいのかも。でもネットで調べたらダドリー・スミス役の役者さんがイメージとだいぶ違っていたので失望しないために見ないほうがよいかな。
ここからは自分用メモ。<主人公>
エドマンド・エクスリー
バド・ウェンデル・ホワイト
ジャック・ヴィンセンズ<警察>
ウィリアム・H・パーカー ロス市警本部長
サッド・グリーン
ダドリー・スミス 黒人嫌いの警察官
ラス・ミラード 風紀課警部
ディック・カーライル ダドリーの部下
マイク・ブルーニング 同上
マル・ランスフォード ナイトアウル事件の被害者の一人
ディック・ステンズランド バド・ホワイトの友人
ドット・ロスティーン ダドリーの友人。ティートルバウムのいとこ<マフィア>
ミッキー・コーエン
ディヴィッド・ゴールドマン
ジョニー・ストンパナート
エイブ・(カイキー=ユダ公)ティートルバウム
リー・ヴァクス<TV番組『名誉のバッジ』関係者>
マックス・ペルツ プロデューサー
プレット・チェイス
ミラー・スタントン
ディヴィッド・マーテンズ セットデザイナー
ジェリー・マーサラス マーテンズの看護夫
ビリー・ディータリング カメラマン<その他>
プレストン・エクスリー エドの父親。元警官
アーサー・デ・スペイン プレストン・エクスリーの警官時代からの部下
イネス・ソト
レイ・ディータリング 映画製作者
ティミー・ヴァルバーン
シド・ハジェンズ 『ハッシュ・ハッシュ』誌記者
ピアース・パチェット 麻薬・セックス業界の大立て者
リン・ブラッケン パチェットに雇われている娼婦
テリー・ラックス 医者
ドワイト・ジレット ポン引き
ラマー・ヒントン
ボビー・インジ
スペイド・クーリー バンドミュージシャン
デュース・パーキンズ バンドミュージシャン二番手
エリス・ロウ 地方検事
ボブ・ギャロデット
etc...
登場人物多すぎだよ・・・。
さあ、これでようやく『ホワイト・ジャズ』が読めるぞ!