安徳天皇漂海記
内容
ジパングの若き詩人王は詠い、巡遣使マルコ・ポーロは追う。神器に封じられた幼き帝を 壇ノ浦から鎌倉、元、滅びゆく南宋の地へ。海を越え、時を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。
ここが凄い!
- 地の文の文章が平易で読みやすい。ぐいぐい読めます。
- 作品のスケールが大きい。元寇の真相がまさかこんなことになってるとは・・・。
- 歴史上の人物の定説となっているイメージを覆すという点ではジョセフィン・テイの『時の娘』と似ているかもしれない。
- 第一部の語り手と源実朝との関係が美しい。
- 第二部の南宋最後の少年皇帝と安徳天皇との関係が美しい。
- そして驚愕のラスト。しかもしっかり伏線が効いている。
- 全体のトーンがもの凄く上品。なんていうか艶やか。
- 歴史や日本神話のの勉強にもなるかも。
今年度のこのミステリーがすごい!で大森望さんと豊崎由美さんが国内一位にしていたので早速読んでみました。
読んでる最中凄く楽しかった!
私はこの手の歴史ファンタジーを食わず嫌いにしていたのですが、そんな私でも十分楽しめましたよ。
歴史ファンタジーが苦手な人にもお勧めの一作です。
宇月原さんのほかの作品も読んでみたいと素直に思いました。