俺たちの日

内容
ギャングのボスのために借金を取りたてる―どんな危険も顧みない幼なじみのジョーとピートにとって、それは簡単な仕事だった。が、非情になりきれないピートは取り立てを見送り、見せしめのためギャングの手下に脚を折られてしまう。三年後、小さな食堂の店員として働くピートのまえに、いまやボスの片腕となったジョーが現われ…“ハードボイルドの次代を担う”と絶賛される著者が贈る、心を震わせる男たちの物語。
ここが凄い!

  • 文章が平易で読みやすい。
  • 描写力が優れているので頭の中に絵を想像しやすい。
  • 時代と場所の設定が良い。ワシントンを舞台にしたハードボイルドというのは異色かも。
  • 主人公ピート・カラスの生き方が格好良い。そしてその友人たちも。
  • ギリシャ系移民版ゴッドファーザー

ペレケーノスの作品を読むのはこれがはじめて。
正直小説の出来としてはあまりうまくない。
途中まで主人公ピートの単数視点なのに途中から複数視点に切り替わる。ちょっと混乱する。
映画的な冒頭の演出もあまり機能しているとは言えない。
途中の戦争シーンは長すぎると思うし原題にもなっているBIG BLOWDOWNの出し方もちょっと唐突。

でも楽しめたんですよねえ。しかも読後感もかなり満足。
だからこそ上記の傷が気にかかっちゃう。
この作品はもっと面白くなれたはずだ。とどうしても思っちゃうんだよなあ。
期待以上の作品ではなかったけどそれなりに楽しめたんで良しとします。


あれペレケーノスはてなキーワード化されてない?マイナーなのかな。

俺たちの日
俺たちの日
posted with amazlet on 07.04.07
ジョージ・P. ペレケーノス George P. Pelecanos 佐藤 耕士
早川書房 (1998/09)
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